2013年4月16日火曜日

EMON PHOTO GALLERY 古賀絵里子 [一山]

 前作 [浅草善哉] に続くテーマを模索しているなか訪れた高野山に惹かれ、2010年4月以降山内にアパートを借り、毎月7〜10日間程滞在して取り組んでいるシリーズ。
タイトルの「一山(いっさん)」とは「一つの、ある山」という意味に加え、高野山全体が一つの寺であるという概念から使われている言葉であるらしい。
被写体は主に高野山の四季の自然、おそらくそこで作者が関わった人々を、6×6のフォーマットで丁寧に切り取っていく。どの作品にも人の温かみが感じられるのは作者の人柄によるものではないだろうか。
グリッド状にレイアウトされた作品群に高野山の美しさを感じ、そこで生活する人々が写された作品からは、彼ら(彼女ら)への親しみ・感謝の気持ちを感じ取ることができる。

 今回の展示は、写真集として出版することを見据えての展示だという。ドキュメンタリーとしての質の高さは、写真集としての完成度の高さを予感させる。いつか実際に出版されることがあれば、写真集「一山」、ぜひ手に取ってみたいと思わせる写真展だった。

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